植物園情報
バラ/ホームメイト
科名 | バラ科 |
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属名 | バラ属 |
原産地 | アジア、ヨーロッパ、 中近東など |
栽培の難易度 | 中級者向け |
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植物分類 | 多年草 |
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草丈 | 種類によって異なる |
開花時期 | 5~9月 |
花もち | 3~7日間 |
花色 | 白、赤、ピンク、 オレンジ、黄など |

耐暑性 | やや弱い~強い |
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耐寒性 | やや弱い~弱い |
バラの原産地や生息地は、アジアやヨーロッパ、中近東など北半球の様々な国や地域です。バラの歴史は古く、紀元前5000年頃のメソポタミア文明の時代に書かれた「ギルガメッシュ叙事詩」にバラのことが載っており、5000万年以上前には誕生していたと言われています。
バラには様々な系統や品種があり、大きく分けて「木立ち性」、「つる性」、「半つる性」の3つがあります。
木立ち性は、上に向かって枝が伸び、自立して育つバラです。春から秋まで花を咲かせ、中輪から大輪の花が多く、様々な品種があります。
つる性は、枝が2m以上に伸び、アーチやフェンスなどの構造物に誘引して花を楽しむバラです。春に花を咲かせ、花は小輪から大輪まであり、花色も豊富にあります。
半つる性は、木立ち性とつる性の両方の特徴を持つバラです。しなやかな枝が1~2mになり、上に伸びるタイプや、横に広がるように伸びるタイプなど、様々な品種があります。
また、バラには一年を通して繰り返し咲く「四季咲き性」、繰り返し咲くこともある「返り咲き性」、1年の間で5~6月に1度だけ咲く「一季咲き性」の3タイプがあります。
園芸店やホームセンターの園芸コーナーには、「新苗」と「大苗」の2種類が販売されています。新苗は冬に接ぎ木して作られた苗で、花が咲くまでに数年かかります。大苗は春から秋まで育てた苗を掘り上げた物で、丈夫な上、翌年には花を楽しむことができます。
初めてバラを育てる場合は、大苗がおすすめです。鉢植えの大苗であれば3~11月に店頭で販売されています。
ガーデニング年間スケジュール
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
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植え付け | ||||||||||||
施肥 | ||||||||||||
切り戻し | ||||||||||||
開花 |
育て方のポイント

バラは、日当たりが良く、風通しの良い場所で育てます。最低でも1日に4~5時間は日があたる場所が最適です。真夏の直射日光は苦手なため、寒冷紗などで遮光するようにしましょう。鉢植えの場合は、鉢の中が熱くなって土が蒸れるため、根が傷む可能性があります。半日陰になる風通しの良い場所へ移動させましょう。
また、風通しが悪いと湿度が高くなり、病害虫の発生原因になるので、注意が必要です。
植え付け
土作り
地植えの場合は、深さ、幅ともに約50cmの植え穴を掘り、植え穴の底に約1kgの「堆肥」と、元肥として約300gの「緩効性化成肥料」を入れ、植え穴の1/4まで土を戻して混ぜ合わせます。鉢植えの場合は、市販のバラ用培養土を使用します。元肥は施しません。
植え付け
バラの植え付け時期は、新苗が4月中旬~6月下旬、大苗が10月中旬~翌年3月下旬、鉢植えの大苗が3~11月です。
地植えの場合は、植え穴に苗を置き、接ぎ木部分が地表に出る高さになるよう、土を入れて調整します。調整できたら隙間に土を戻し、苗を固定しましょう。複数の苗を植え付ける場合は、株間を空けます。木立ち性は60~100cm、つる性は200cm、半つる性は150cmです。
鉢植えで育てる場合は、7~8号サイズの鉢を用意します。鉢の底に鉢底ネットを置き、鉢底石を敷き詰めたら、鉢の半分まで市販のバラ用培養土を入れます。鉢の中心に苗を置いたら、接ぎ木部分が地表に出るように、鉢の縁から5cm下の高さまで用土を追加しましょう。
なお、新苗は根鉢を崩さずに植え付け、大苗は根鉢を崩して広げるようにして植え付けます。
増やし方(挿し木)
バラは、挿し木で増やします。
挿し木の適期は、5~7月で、気温が20℃を超えた頃が挿し木に適したタイミングです。
挿し木は、その年に伸びた新しい枝の先端から5~10cmの位置で切り取り、切り口を30分~1時間、水に浸けます。水あげしたら先端の枝を2~3本残すように切り口を斜めにカットし、切り口に発根促進剤を塗ります。ポリポットに水で湿らせた挿し木用培養土を入れ、挿し木を斜めに挿したら半日陰の場所で、土が乾燥しないように水やりをしながら育てましょう。
1ヵ月ほどすると発根するので、新芽が出てきたら育てたい場所や鉢に定植します。
手入れ
水やり
地植えの場合は、苗の植え付け時と、苗を植え付けてから3週間は土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。その後は、生育が安定するまで1週間に1回の頻度で水やりをします。生育が安定したら水やりの必要はありませんが、真夏に雨が降らず、乾燥が続くようであれば、水を与えましょう。
鉢植えの場合は、苗の植え付け時にたっぷりと水やりをします。その後は、土の表面が乾いてから鉢の底から水が漏れでるぐらいまで、たっぷりと与えるようにしましょう。
施肥
地植えの場合は元肥の他、1~2月に寒肥(かんごえ)として肥料を施します。寒肥は、枝の先端から下の地表を30~40cmほど掘り上げ、肥料を穴の底に施したら、埋め戻します。
また、3月、6月、9月に、枝の先端から下の地表に追肥します。
鉢植えの場合は、3月、6月、9月に、鉢の縁の2~3ヵ所に置き肥します。肥料は、市販のバラ用肥料か、緩効性化成肥料を使用しましょう。
切り戻し
バラの花を綺麗に咲かせるために欠かせない作業が、夏(9月)と冬(1~2月)の剪定と、花がら切りです。剪定のやり方は、四季咲き性と一季咲き性(つる性含む)のバラで異なります。四季咲き性のバラの夏剪定は、全体の1/3を切り落し、丸くなるように整えます。咲いている花や蕾(つぼみ)も切り落しましょう。また、蕾が付いていない5cm以上伸びた枝や、黄色く変色した枝も取り除きます。
冬剪定は、全体の1/2~2/3を切り落します。5~7月頃に伸びた太い枝や、年数の長い枝は浅めに剪定し、10月以降に伸びた新しい枝や、細い枝は深めに剪定しましょう。なお、中輪のバラやミニバラの細い枝は、浅めに剪定します。
一季咲き性のバラは、夏剪定の必要がありません。枝葉が混み合っているようなら、風通しを良くするために、内向きに生えた枝を中心に切り落しましょう。
冬剪定は、全体が1/2ほどの高さになるように切り落します。花がら切りは、花が咲き終わりそうな枝を切り落す作業です。一番花は、3月から伸びた枝の中心部分にある、五枚葉の位置で切り落します。二番花は一番花で切り落した箇所から伸びた枝の中心あたりで、三番花は二番花で切った箇所から伸びた枝の中心あたりで切り落しましょう。