植物園情報
クレマチス/ホームメイト
科名 | キンポウゲ科 |
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属名 | センニンソウ属 |
原産地 | 北半球 |
栽培の難易度 | 中級者向け |
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植物分類 | 多年草 |
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草丈 | 20~300cm (ツルの長さ) |
開花時期 | 4~10月 |
花もち | 5日間 |
花色 | 白、赤、ピンク、黄、青、茶など |

耐暑性 | 普通 |
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耐寒性 | 普通 |
北半球を中心に約300種の原種が存在するクレマチスは、日本をはじめ、中国やヨーロッパ、ニュージーランド、アメリカなどに広く分布する、ツル性の多年草です。日本には「カザグルマ」や「ハンショウヅル」、「仙人草」など、約20種が自生しています。
クレマチスは、19世紀に日本の「テッセン」と、中国の「ラヌギノーサ」という品種をシーボルトがヨーロッパに持ち込み、ヨーロッパ種と掛け合わせて生まれました。その後、長年にわたって品種改良が進められ、現在では数多くの品種が存在し、15~17系統に分類されています。系統によって花が咲くサイクルが異なり、年に1回開花する一季咲きのグループと、長期間にわたって花が次々と咲き、剪定すると繰り返し花が咲く四季咲きのグループに大別されています。
四季咲きのグループには、大きな花を上に向かせて咲かせる「フロリダ系」、多くの花を横や下向きに咲かせる「ヴィチセラ系」、チューリップ形やベル形の花を咲かせる「テキセンシス系」などがあります。
また、花の咲き方によって、春に伸びた新しい枝に花を咲かせる「新枝咲き」、前年の枝に花を咲かせる「旧枝咲き」、今年の枝と前年の枝に花を咲かせる「新旧両咲き」の3タイプに分類されています。
クレマチスの名前「Clematis(クレマチス)」は、ギリシャ語で「ツル」や「巻き上げ」を意味する「klema(クレマ)」が由来です。
ガーデニング年間スケジュール
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
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植え付け | ||||||||||||
施肥 | ||||||||||||
切り戻し | ||||||||||||
開花 |
育て方のポイント

クレマチスは、日当たりが良く水はけの良い場所で育てます。一日に最低でも4時間は日の当たる場所が最適です。半日陰の場所でも明るさがあれば育ちますが、徒長しやすくなり、やや花付きが悪くなります。日当たりが悪いと花が咲くまで時間がかかるので、注意しましょう。
クレマチスは夏の直射日光には弱い植物です。地植えの場合は、落葉樹の木漏れ日が当たるような場所や、午前中だけ日が差す場所に植えると良いでしょう。
植え付け
土作り
地植えの場合は、掘り上げた土に対してクレマチス専用培養土を半分程度入れた用土を使うか、硬質赤玉土、硬質鹿沼土、完熟腐葉土を4:3:1の割合で配合した用土を使用します。
鉢植えの場合は、クレマチス専用培養土を使うか、硬質赤玉土、硬質鹿沼土、完熟腐葉土を4:3:3の割合で配合した用土を使用します。元肥として適量の「緩効性化成肥料」も一緒に混ぜ合わせましょう。クレマチス専用培養土を使う場合は、元肥を施す必要はありません。
植え付け
クレマチスの植え付け時期は、1~3月です。
地植えの場合は、深さ、幅ともに約40cmの植え穴を掘り、苗の根元から2節上の位置まで土に埋まるように、深植えします。
1年目の苗を地植えにすると根づかずに枯れてしまうことがあります。1年目の苗は鉢植えにして育て、株を充実させてから、翌年に地植えするようにしましょう。
鉢植えで育てる場合は、5号鉢以上の深鉢を用意します。鉢底ネットを置いたら鉢の底が隠れるぐらいに鉢底石を敷き、鉢の1/3まで用土を入れます。苗は根鉢を崩さずに鉢の中心に置き、鉢の縁から2cm下の高さまで用土を追加します。苗は根元から2節上の位置まで土に埋まるように、深植えにしましょう。
クレマチスは、深植えにすることで、株元から多くのツルが伸びて茎が立ち上がるため、たくさんの花を咲かせることができます。
増やし方(挿し木)
クレマチスは、挿し木で増やします。
挿し木の適期は、5~6月です。
新しくできた枝の先端から2~3節の位置で切り取り、挿し穂にします。挿し穂の下葉を取り除いたら、切り口に発根促進剤を塗り、挿し木用土を入れたポリポットに挿し穂を挿します。その後は、明るい日陰で土が乾かないように水やりをしながら育てましょう。約1ヵ月すると発根するので、鉢に植え替えて育てます。
挿し木用土は新しく清潔な物が最適です。古い土を使うと切り口から雑菌が入って、失敗することがあるので、注意しましょう。
手入れ
水やり
クレマチスは、乾燥を嫌う植物です。
地植えの場合は、苗を植え付けたらたっぷりと水やりをします。根づくまでは土の表面が乾いていたら水やりをし、新芽が伸び始めたら水やりを控えましょう。その後は、降雨のみで大丈夫ですが、2週間くらい雨が降らず、葉が萎れているような場合は、水を与えるようにします。
鉢植えの場合は、苗を植え付けたらたっぷりと水やりをします。その後は、土の表面が乾いたら、鉢の底から水が流れ出すまでたっぷりと水やりをしましょう。真夏は乾きやすいので、朝と夕方に水やりをする必要があります。水を与え過ぎると根腐れを起こしてしまうので、鉢皿に水が溜まらないように注意しましょう。
施肥
クレマチスは、肥料を好む植物です。
施肥は元肥の他、芽が動き始める3月に、リン酸とカリ分を多く含んだ有機系肥料を施します。
生育期間中の3~6月は、2週間に1回の頻度で「薄めた液肥」を追肥します。
さらに、9~10月の間に、油粕や骨粉などの有機系肥料を与えましょう。
切り戻し
クレマチスの剪定時期や方法は、「新枝咲き」、「旧枝咲き」、「新旧両枝咲き」のタイプで異なります。
「新枝咲き」のタイプは、新しいツルを切ると花が付かないため、古い枝を剪定します。剪定は2~3月と5~8月の2回に分けて行い、古い枝が生えている位置から約10cm上の部分で切り取りましょう。
「旧枝咲き」のタイプは、新しい枝を剪定します。4~5月に、花の5cm下の位置で枝を切り取りましょう。
「新旧両枝咲き」のタイプは、古い枝と新しい枝に関係なく剪定します。剪定は2~3月と5~8月の2回行い、枝の先端から約5cmの位置で剪定しましょう。
また、花の色がくすんで、雄しべに元気がなくなってくると種を作ろうとして栄養が株全体に回らなくなるため、花がら摘みを行います。花首のすぐ下の位置で切り取りましょう。