ガーデニング(園芸)用語辞典
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粘液
ねんえき粘液とは、植物が分泌する粘り気のある液体のこと。粘液は、植物の様々な部位から分泌される。
粘液は、主に多糖類とタンパク質で構成。多糖類は、グルコースなどの単糖が多数結合した高分子化合物で、粘性の高いゲル状の物質を作り出す性質を持っている。タンパク質は、粘液の性質を調整したり、他の物質と結合したりする役割を果たす。
粘液は粘性が高く、水に溶けにくい物が多いが、分泌する植物の種類や、分泌される部位によって性質が異なる。
植物が粘液を分泌する理由は、①保護、②捕獲、③散布、④接着、⑤潤滑の5つ。
①保護
植物の表面を覆い、乾燥や外敵から保護する。
②捕獲
食虫植物は、虫を捕らえるための罠として利用する。
③散布
種子や花粉を動物に付着させて遠くに運ばせる。
④接着
ツル植物は巻きひげを他の物に付着させて伸び、コケ植物は根を樹木や岩に固定する。
⑤潤滑
茎や根が伸びる際に、土壌中の粒子や岩の表面などとの摩擦を減らし、成長を円滑にする。
粘液が見られる植物には、葉の表面に粘液を出して虫を捕らえる食虫植物、花茎(かけい)に粘液を出して虫を捕らえるモチツツジ、樹皮から粘液を分泌するアオギリ、果実に粘液が含まれるオクラなどがある。
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