植物園情報
コチョウラン/ホームメイト
科名 | ラン科 |
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属名 | コチョウラン属 |
原産地 | 東南アジア |
栽培の難易度 | 初心者向け |
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植物分類 | 多年草 |
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草丈 | 10~100cm |
開花時期 | 11~5月 |
花もち | 1~3ヵ月 |
花色 | 白、赤、ピンク、黄、紫、複色 |

耐暑性 | 強い |
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耐寒性 | 弱い |
コチョウランは東南アジアが原産で、東南アジアを中心とした熱帯・亜熱帯地域に約50種が分布し、インドネシアやフィリピン、台湾南部などに生息しています。
コチョウランは18世紀に発見され、18世紀後半になるとイギリスで交配に成功し、アメリカに伝わったあと、さらに交配が進みました。日本への渡来は明治時代です。当初は温度管理の難しさから高価な植物として流通していたため、上流階級での需要しかありませんでした。その後、温度栽培が定着し、生産技術が向上するにしたがって栽培農家が増えるとともに、一般家庭にも浸透するようになりました。現在では25,000もの品種があるとされています。
一般に目にするコチョウランは花径が10~15cmの大輪種で、小型の原種から100年近く改良を重ねられてきた品種です。花姿が豪華で、花もちが1~3ヵ月と長いことからギフトや室内装飾に用いられ、一年中、園芸店で販売されています。現代では花径が6~9cmの「ミディ」や、4~5cmほどの「ミニ」のタイプも流通しています。
コチョウランは学名の「Phalaenopsis(ファレノプシス)」で呼ばれることもあり、ギリシャ語で「蛾」を意味する「Phalaina(ファライノ)」と、「~に似る」を意味する「opsis(オプシス)」が合わさった名前です。花姿を蛾に見立てて付けられました。
コチョウランの和名「胡蝶蘭(コチョウラン)」は、蝶が舞っているように見える花姿が由来です。
ガーデニング年間スケジュール
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
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植え付け | ||||||||||||
施肥 | ||||||||||||
切り戻し | ||||||||||||
開花 |
育て方のポイント

コチョウランは直射日光が苦手なため、移動が容易な鉢植えで育てるのが一般的です。
コチョウランの栽培適温は18~25℃で、春の終わり頃(5月下旬)から秋の初め頃(9月下旬)は、屋外で育てることができます。直射日光があたらない樹木の下や、半日陰の場所が栽培環境として最適です。直射日光があたると葉焼けするため、注意しましょう。室内で育てる場合は、午前中に日光があたるような半日陰の窓際に置きます。夏の間は日差しが強くなるので、レースカーテン越しの窓辺に置きましょう。
冬の間は室内の直射日光があたらない、やや明るめの場所で育てます。冷暖房の風があたると花もちが悪くなり、蕾(つぼみ)が落ちてしまうので、置き場所に注意しましょう。
また、花が咲くと花の重みで花茎が下を向くので、あらかじめ支柱を立てて倒れないようにします。
植え付け
土作り
コチョウランは着生植物のため、土に根を張りません。
コチョウランに適した用土は、水ゴケ、バーク(※)、ヤシ殻チップです。
素焼きの鉢に植え付ける場合は水ゴケを使用し、プラスチック製の鉢に植え付ける場合はバークとヤシ殻チップを使用します。なお、コチョウランの根は空気を好むため、通気性がある素焼きの鉢を使用するのが一般的です。
※バークとは、松の樹皮を細かく砕いてチップ状にした物のこと。
植え付け
コチョウランの植え付け時期は、4~5月です。
鉢は、大輪種が4~5号鉢、ミディやミニが2.5~3.5号鉢を用意します。
コチョウランの苗は水ゴケに着生して売られていますので、①水ゴケを少しずつ取り外し、黒くなっている根や干からびて枯れている根を切り取ります。取りにくい水ゴケはピンセットなどを使用し、完全に取り除きましょう。②新しい水ゴケをあらかじめ水に浸しておき、ゴルフボール大ぐらいになるように固く絞ったら、コチョウランの根を広げるように株元に水ゴケを入れます。次に③外側の根を包むように水ゴケを巻きます。④鉢の1/4まで鉢のかけらや軽石(大粒)を入れ、⑤苗を鉢の中心に置いたら、隙間に水ゴケを追加しましょう。
増やし方(高芽、株分け)
コチョウランは、何らかの原因によってできる高芽や、子株を株分けして増やします。
本来、花を咲かせるために伸びた茎に根と葉が生えてくることがあります。これを高芽と言います。
葉が2~3枚になり、5cmほどまでになったら、根の下部分から切り落します。水で湿らせた水ゴケに高芽の根を絡ませたら、鉢に植え付けましょう。
その後は、日当たりと風通しが良い場所に置き、1週間から10日ほどしたら水やりをします。2~3年すると、花が咲くようになります。
子株は、株の横にできる小さい株です。子株ができていたら、植え替え時に株分けをしましょう。植え替えの適期は5~6月です。
親株から子株を切り離したら、高芽と同じ手順で植え付けて育てましょう。
手入れ
水やり
コチョウランは乾燥気味の環境を好みます。水をやり過ぎると根腐れを起こすので、注意が必要です。
4~9月の間は1週間に1回、10~3月の間は2週間に1回を目安に水やりをします。
用土の表面を手で触って確かめ、乾いているようなら、たっぷりと水を与えましょう。冬の水道水は冷たく、コチョウランの負担になるため、水温を常温にしてから与えるようにします。
また、受け皿に溜まった水は、捨てましょう。
施肥
4~9月の間に、2週間に1回の頻度で薄めた液肥を施します。
切り戻し
花が終わった花茎は、先端から1/3ぐらいの位置で切り落します。3~4ヵ月すると、節から新しい花茎が伸び、2番花が咲くことがあります。ただし、植え替えた株や、初めて花を付けた株に2番花を咲かせると、翌年の花数が減り、花が付かないこともあるため、2番花を咲かせないように株元から切り取るようにしましょう。