植物園情報
アンスリウム/ホームメイト
科名 | サトイモ科 |
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属名 | ベニウチワ属 |
原産地 | 熱帯アメリカ~西インド諸島 |
栽培の難易度 | 初心者向け |
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植物分類 | 多年草 |
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草丈 | 30~80cm |
開花時期 | 5~10月 |
花もち | 2週間 |
花色 | 白、赤、ピンク、緑、紫、茶、複色 |

耐暑性 | 普通 |
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耐寒性 | 弱い |
アンスリウムは、熱帯アメリカから西インド諸島が原産で、約600種類が分布する多年草の観葉植物です。日本には明治時代の中頃に渡来しました。
アンスリウムは、地中に根を張らず、樹木に着生して育つ植物で、地植えにすると根腐れを起こしやすいため、鉢植えで育てるのが一般的です。
アンスリウムは、赤色と突き出した尻尾のような部分が特徴。赤色の部分は仏炎苞(ぶつえんほう)と言い、尻尾のような部分を包む苞(ほう:花の根元に付く葉)で、花芽を保護する葉の一種です。
尻尾のような部分は肉穂花序(にくすいかじょ)と言い、多肉質な軸のような部分に柄(がら)のない多数の花が密集して咲きます。花は小さくて目立たないため、一般には仏炎苞を鑑賞して楽しみます。仏炎苞は赤色の他、ピンクや白、緑、紫色などの品種もあります。
ハワイでは、バレンタインデーにアンスリウムを贈る習慣があり、「Heart of Hawaii(ハート・オブ・ハワイ)」と呼ばれています。
アンスリウムの名前「Anthurium(アンスリウム)」は、ギリシャ語の「花」を意味する「anthosaura(アンサス)」と、「尾」を意味する「oura(オウラ)」が語源です。尻尾のように突き出した肉穂花序の姿が由来です。
アンスリウムの和名は「紅団扇(ベニウチワ)」で、仏炎苞が赤色をしていて、うちわの形に似ていることから付けられました。
ガーデニング年間スケジュール
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
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植え付け | ||||||||||||
施肥 | ||||||||||||
切り戻し | ||||||||||||
開花 |
育て方のポイント

アンスリウムは、明るい半日陰の室内で育てます。窓ガラスから日が差し込む室内や、レースのカーテン越しに光が入る窓際など、間接的に太陽の光が取り込める環境が最適です。強い直射日光や西日に長時間あたると葉焼けを起こしやすくなり、暗い場所に置くと花が咲かなくなるので、注意しましょう。
アンスリウムの栽培適温は10℃以上です。冬の間は、窓際に置いておくと冷気が入り込むので、室内の暖かい場所に移動して育てます。
植え付け
土作り
アンスリウムは、水はけが良い土を好みます。
市販の観葉植物用の培養土を使うか、鹿沼土、ピートモス(※1)、パーライト(※2)を等量に配合した用土を使用します。
※1:ピートモスとは、水気の多い場所で育ったコケ類を、細かく砕いて乾燥させた土のこと。
※2:パーライトとは、ガラス質の火山岩を高温で焼いて作られた土壌改良剤のこと。
植え付け
アンスリウムの植え付け時期は、5~8月です。
株よりも一回り大きな鉢を用意し、鉢の底に鉢底ネットを置いたら、鉢の2~3cmの高さまで鉢底石を敷きます。鉢の1/4程度まで用土を入れ、鉢の中央に株を置いたら、鉢の縁よりも2~3cm下の高さまで用土を追加しましょう。
増やし方(株分け、挿し芽)
アンスリウムは、株分けや挿し木で増やします。
株分けの適期は5~8月で、植え替え時に行います。
アンスリウムは親株の周りに子株ができてきます。鉢から抜いた株の古い用土を取り除き、親株から子株を取り分け、一回り大きな鉢に植え替えます。
植え替えは、2~3年に1回の頻度で行いましょう。
挿し木の適期は、5~8月です。
茎の先端から10~15cmの位置で切り取り、下葉を取り除いたら、湿らせたバーミキュライト(※)を入れたポリポットなどに挿します。明るい日陰に置き、バーミキュライトが乾いたら水やりをしながら育てましょう。新しい葉が出てきたら鉢に植え替えます。
手入れ
水やり
5~10月の生育期間中は、土の表面が乾いたら、鉢の底から水が流れ出すまでたっぷりと水やりをします。鉢皿に溜まった水は、捨てるようにしましょう。アンスリウムの地上部は、高温多湿を好みます。乾燥が激しい日は、葉や茎に霧吹きで水を吹きかける葉水(はみず)をしましょう。
冬の時期は乾燥気味に育てるようにし、土の表面が乾いて数日経ってから水やりをします。暖房が効いて乾燥が激しいときは、葉水をしましょう。
施肥
生育期間中の5~10月に、2週間に1回の頻度で「液肥」を施すか、「緩効性化成肥料」を置き肥します。
肥料を与えすぎると肥料焼けを起こしてしまうので、注意しましょう。
切り戻し
仏炎苞が色褪せ、肉穂花序が緑色になってきたら、茎の根元から切り取る、花茎切りをします。花茎切りをすることで新しい花が咲き、1年中楽しめます。肉穂花序をそのままにしておくと実を付け、株に栄養がまわらず弱ってしまうので、注意しましょう。
また、アンスリウムは、数年経つと下葉が落ち、茎が立ち上がって草姿が乱れてくるので、仕立て直しをします。仕立て直しの適期は、5~7月です。
仕立て直しは、地上部に出ている気根(きこん)を、できるだけ多く付けて地際で切り取ります。古い葉は取り除き、2~3枚だけ葉を残して、一回り大きな鉢に植え付けます。植え付ける際、地上部に出ていた気根は土の中に埋め、葉の付け根は土に埋めないようにしましょう。