植物園情報
ヒヤシンス/ホームメイト
科名 | キジカクシ科 |
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属名 | ヒアシンス属 |
原産地 | ギリシャ、シリア |
栽培の難易度 | 初心者向け |
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植物分類 | 多年草 |
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草丈 | 約20cm |
開花時期 | 2~4月 |
花もち | 4~7日 |
花色 | 白、赤、ピンク、黄、青、紫 |

耐暑性 | (夏は休眠) |
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耐寒性 | 強い |
ギリシャとシリアが原産のヒアシンスは、東南アジアやレバノン、イスラエル北部などに分布する多年草です。古くはオスマン帝国で栽培されていたと言われ、16世紀前半にヨーロッパにもたらされた歴史があります。16世紀末になるとイギリスへ渡り、園芸用の花として栽培されることが多くなったことから、数百の品種が作られました。18世紀になるとオランダを中心に品種改良が進み、現在では2,000以上の品種が流通しています。日本に渡来したのは江戸時代末期で、「夜香蘭(ヤコウラン)」や「錦百合(ニシキユリ)」と呼ばれていました。明治時代には「風信子(ハヤシンス)」や「飛信子(ヒアシンス)」などの字があてられ、大正時代になると、一般に広まるようになりました。
ヒアシンスにはオランダで品種改良した「ダッチ系」と、フランスで品種改良された「ローマン系」の2つがあり、ダッチ系が市場に広く流通しています。
ヒアシンスの名前「Hyacinth(ヒアシンス)」は、ギリシャ神話の美少年「Hyakinthos(ヒュアキントス)」の名前が由来です。
和名「風信子」の「風信(ふうしん)」は「風向き」を意味し、風に乗せてヒアシンスの香りが運ばれてくる様子を表しています。
ガーデニング年間スケジュール
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
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植え付け | ||||||||||||
施肥 | ||||||||||||
切り戻し | ||||||||||||
開花 |
育て方のポイント

ヒアシンスは、日当たりが良く水はけの良い場所で育てます。植え付けた年は日陰でも花が咲きますが、翌年から花数が少なくなり、花が咲かなくなることがあります。
ヒアシンスは耐寒性があるため、雪が積もる地域でも防寒対策をする必要はありません。
なお、ヒアシンスは冬の低温にあたらないと花が咲かない性質です。室内で育てる場合、12月いっぱいは室外に置いて育てるようにしましょう。
植え付け
土作り
ヒアシンスは酸性の土壌を苦手とする植物です。
地植えの場合は、球根を植え付ける2週間前に「苦土石灰」を撒いて土と混ぜ、馴染ませておきます。球根を植え付ける際は、腐葉土と、元肥として適量の「緩効性化成肥料」を混ぜ合わせましょう。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)と腐葉土を7:3の割合で配合した用土を使用します。元肥として適量の緩効性化成肥料を混ぜ合わせておきましょう。草花用培養土を使用する場合は、元肥を施す必要はありません。
植え付け
ヒアシンスの植え付け時期は、9~10月です。
地植えの場合は、深さ10cmの位置に球根を植え付けます。複数の球根を植え付ける場合は、約15cmの株間を空けましょう。
鉢植えの場合は、球根の頭が出るくらいの深さに植え付けます。5号鉢で1球を目安に球根を植え付けましょう。
増やし方(分球)

ヒアシンスは自然分球しないため、球根に傷を付けて増やします。5~6月に球根を掘り上げ、球根の底にナイフを使って十字の切れ込みを浅く入れます。切れ込みを入れた球根は、植え付け時期まで風通しの良い場所で保管しておくと、切れ目に小さな球根が付きます。
小さな球根が付いた状態で植え付け、翌年になったら掘り上げて、分球します。
なお、花が咲く大きさの球根になるまで、分球から2~3年かかります。
分球は、植え替え時に行うようにします。植え替えの頻度は、地植えであれば3~4年に1回、鉢植えであれば2~3年に1回です。
手入れ
水やり
地植えの場合、球根の植え付け時にたっぷりと水やりをします。根付くまでは、土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりをしましょう。その後は、降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、球根の植え付け時にたっぷりと水やりをし、その後は土の表面が乾いたら、鉢の底から水が流れ出すまで、たっぷりと水やりをします。
施肥
地植えの場合は、植え付け時に施す元肥の他、蕾(つぼみ)が出始める3月頃に緩効性化成肥料を追肥します。
鉢植えの場合は、元肥の他、芽が伸びてきて花が咲くまでの1~4月の間に、7~10日に1回の頻度で、「液肥」を追肥します。
切り戻し
花が咲き終わったら、花がら摘みを行います。咲き終わった花は種を作ろうとして栄養が株全体に回らなくなるため、萎んだ花は花茎を残して摘み取りましょう。花茎を切り取ると切り口から雑菌が入って腐ってしまうことがあるので、花がらだけを摘み取るようにします。
その他
ヒアシンスは、水耕栽培することもできます。ただし、一度花を咲かせると翌年に咲かせるのが難しくなるため、一年限りです。