植物園情報
クロッカス/ホームメイト
科名 | アヤメ科 |
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属名 | サフラン属 |
原産地 | 地中海沿岸 |
栽培の難易度 | 初心者向け |
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植物分類 | 多年草 |
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草丈 | 5~10cm |
開花時期 | 2~4月 |
花もち | 7日間 |
花色 | 白、黄、紫、複色 |

耐暑性 | (夏は休眠) |
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耐寒性 | 強い |
地中海沿岸が原産のクロッカスは、地中海沿岸から西アジアに約70種が分布する多年草の球根植物で、雑木林や森林、草原などに自生しています。
クロッカスには「春咲き種」と「秋咲き種」の2種類があり、一般には秋に球根を植える春咲き種が、観賞用に流通しています。秋咲き種のクロッカスは「サフラン」と呼ばれ、スパイスや薬用に用いられる品種です。日本には江戸時代に渡来し、主に婦人病の薬として用いられていました。
クロッカスは球根から細い葉を地上に出すと同時に、葉の間から蕾(つぼみ)が伸びてきて花を咲かせます。花が咲き終わると葉がさらに伸び、球根に栄養を蓄えたら枯れて冬越しする生長サイクルを、毎年繰り返します。花は日中だけ咲き、曇りの日や夜間には閉じる特徴があります。
クロッカスの名前「Crocus(クロッカス)」は、ギリシャ語の「糸」を意味する「croke(クロケ)」が由来です。クロッカスの雌しべが、長い糸のような形をしていることから付けられました。
クロッカスは和名で「春泪夫藍(ハルサフラン)」や「花泪夫藍(ハナサフラン)」と呼ばれ、春になるとサフランに似た花を咲かせることが由来です。
ガーデニング年間スケジュール
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
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植え付け | ||||||||||||
施肥 | ||||||||||||
切り戻し | ||||||||||||
開花 |
育て方のポイント

クロッカスは、日当たりが良い場所で育てます。日当たりが悪いと球根が太らず、翌年に花が咲きにくくなるので、注意しましょう。
植え付ける土壌は、水はけが良い土質が最適です。水はけが悪いと生育が悪くなるだけでなく、夏に球根が腐る場合があるので、注意しましょう。
クロッカスは冬の寒さにあてないと花が咲かない性質があるので、室内で育てる場合、12月いっぱいは室外で育てるようにしましょう。
なお、クロッカスは非常に耐寒性が強く、雪が積もっても問題なく育ちます。
植え付け
土作り
クロッカスは水はけが良ければ、土質を選ばない植物です。
地植えの場合、水はけが悪いようなら、掘り上げた土に対して1/3程度の腐葉土を混ぜ合わせましょう。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)、腐葉土、バーミキュライト(※)を6:3:1の割合で配合した用土を使用します。元肥として少量の「緩効性化成肥料」を混ぜ合わせておきましょう。市販の草花用培養土を使用する場合は、元肥を施す必要はありません。
※バーミキュライトとは、「苦土蛭石(くどひるいし)」という鉱物を700℃以上の高温で焼いてアコーディオン状に膨張させ、細かく砕いた物のこと。
植え付け
クロッカスの植え付け時期は、10~11月です。
地植えの場合は、深さ5cmの位置に球根を植え付けます。複数の球根を植え付ける場合は、5~10cmの株間を空けましょう。
鉢植えの場合は、4号鉢で4~5球を目安に植え付けます。深さ3cmの位置に、3~5cmの株間を空けて植え付けましょう。
増やし方(分球)

クロッカスは、分球で増やします。分球の適期は、6月で、植え替え時に行います。
クロッカスは自然分球し、古い球根の上に新しい球根ができます。球根を掘り上げたら、小さい球根や変色している球根を取り除いて、切り分けましょう。切り分けた球根は、風通しの良い日陰で切り口を乾燥させ、植え付け時期まで冷暗所で保管します。
なお、植え替えの頻度は、地植えの場合で3~4年です。鉢植えの場合は毎年、植え替える必要があります。
手入れ
水やり
地植えの場合、球根の植え付け時にたっぷりと水やりをし、根付くまでの約1ヵ月間は、土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりをします。その後の水やりは必要ありません。降雨のみで育ちますが、1週間以上、雨が降らない日が続いたら水を与えましょう。
鉢植えの場合は、球根の植え付け時にたっぷりと水やりをし、その後は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。
施肥
地植えの場合、施肥の必要はありません。
鉢植えの場合は、植え付け時の元肥の他、花が咲き終わり、葉が枯れて休眠するまでの5~6月の間に、カリ分の多い「液肥」を1~2回、追肥します。
切り戻し
花が咲き終わったら、花がら摘みを行います。
咲き終わった花は種を作ろうとして栄養が株全体に回らなくなり、球根が太らなくなるため、萎んだ花は花茎の付け根から切り取りましょう。