植物園情報
パンジー/ホームメイト
科名 | スミレ科 |
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属名 | スミレ属 |
原産地 | ヨーロッパ |
栽培の難易度 | 初心者向け |
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植物分類 | 一年草 |
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草丈 | 10~30cm |
開花時期 | 11~4月 |
花もち | 4~6日間 |
花色 | 白、赤、ピンク、黄、オレンジなど |

耐暑性 | 弱い |
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耐寒性 | 強い |
ヨーロッパが原産のパンジーは、交雑により生まれた植物で、野生種は存在しません。パンジーは、ヨーロッパに分布するスミレ類(トリコロル、ルテア、アルタイカ、コルヌータ)の野生種を掛け合わせて作出されました。
パンジーの歴史は、1813年頃にトリコロルをもとに改良された品種が最初とされています。19世紀末になるとフランスやオランダ、ドイツでの品種改良が始まり、20世紀前半にはアメリカやスイスが品種改良をリードするようになったことで、カラフルな花色をした大輪種のパンジーが多く誕生しました。20世紀後半には多くの大輪種が作られるようになりましたが、次第に受け入れられなくなり、現在では、たくさんの花を付ける小・中輪種が主流になっています。現在、パンジーの改良をリードしているのはイタリアと日本で、八重咲きの品種やフリルが付いたボリュームのある品種などが作出されています。
日本には江戸時代末に入ってきたとされ、戦後になると一般に栽培されるようになりました。昭和40年代に入ると種苗会社で本格的な育種が始まり、現在では個人育種家による品種改良も行われています。
パンジーの名前「Pansy(パンジー)」の由来は、フランス語で「思い」や「考え」を意味する「panser(パンセ)」が語源です。パンジーの花姿が、頭を垂れて物思いにふけっている人の横顔に見えることから付けられました。
パンジーは和名で「三色菫(サンシキスミレ)」と呼ばれ、紫、黄、白など3色で構成された花が咲き、スミレ類がもとになっていることが由来です。
ガーデニング年間スケジュール
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
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植え付け | ||||||||||||
施肥 | ||||||||||||
切り戻し | ||||||||||||
開花 |
育て方のポイント

パンジーは、日当たりの良い場所で育てます。日照不足になると茎だけが伸びて花付きが悪くなるので、注意しましょう。
パンジーは本格的な冬の寒さがくる前に植え付けます。その時期に根を張らせておくことで、暖かくなると生育が良くなり、長期間にわたって花を楽しむことができます。
なお、パンジーは耐寒性があるため、防寒対策をしなくても冬越しさせることができます。
ただし、極端に冷たい寒風にあたると葉が変色するので、鉢植えの場合は置き場所に注意しましょう。
植え付け
土作り
地植えの場合は、苗を植え付ける1週間前に土を深さ30cmほど耕し、耕した土に対して2~3割の腐葉土を混ぜ込んで、水はけの良い土壌にします。元肥として200~300g/m²の「緩効性化成肥料」も一緒に混ぜ合わせましょう。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)、腐葉土、バーミキュライト(※)を6:3:1の割合で配合した用土を使用します。元肥として適量の緩効性化成肥料も一緒に混ぜ合わせましょう。なお、市販の草花用培養土を使用した場合は、元肥を施す必要はありません。
※バーミキュライトとは、「苦土蛭石(くどひるいし)」という鉱物を700℃以上の高温で焼いてアコーディオン状に膨張させ、細かく砕いた物のこと。
植え付け
パンジーの植え付け時期は、10~11月です。
地植えの場合は、深さ約15cmの植え穴を掘り、苗を植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、約20cmの株間を空けましょう。
鉢植えの場合は、5号鉢を用意し、鉢の底に鉢底ネットを置いたら、鉢の底が見えなくなるぐらいに鉢底石を敷きます。用土を鉢の1/2~1/3まで入れ、鉢の中心に苗を置いたら、鉢の縁から2~3cm下の高さまで用土を追加しましょう。
増やし方(種まき)
パンジーは、種まきで増やせますが、育てた株と同じ花が咲くとは限りません。流通しているほとんどのパンジーはF1品種のため、育てた花の種を蒔いて育てても性質が劣った株になります。毎年、新たに苗や種を購入して育てると良いでしょう。
手入れ
水やり
地植えの場合は、苗の植え付け時にたっぷりと水やりをします。その後2週間は、3~4日の頻度で、土の表面が乾いたら水やりをするようにしましょう。根付いて花が咲きだしたら、水やりの必要はありません。
鉢植えの場合も苗の植え付け時にたっぷりと水やりをします。その後は、土の表面が乾いたら、水やりをしましょう。
施肥
地植えの場合は元肥の他、3月頃に適量の緩効性化成肥料を撒いて、土と混ぜ合わせます。
鉢植えの場合は元肥の他、11月から翌年3月の間に、月に1回の頻度で適量の緩効性化成肥料を施すか、10日に1回の頻度で、薄めた液肥を水やりの代わりに与えます。
切り戻し
花が咲き終わったら、花がら摘みを行います。咲き終わった花は種を作ろうとして栄養が株全体に回らなくなるため、萎んだ花はこまめに花茎の付け根から切り取りましょう。