植物園情報
スイセン/ホームメイト
科名 | ヒガンバナ科 |
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属名 | スイセン属 |
原産地 | 地中海沿岸 |
栽培の難易度 | 初心者向け |
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植物分類 | 多年草 |
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草丈 | 10~50cm |
開花時期 | 11~4月 |
花もち | 3~7日間 |
花色 | 白、黄、 オレンジ、複色 |

耐暑性 | ―(休眠期) |
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耐寒性 | 強い |
スイセンは、イベリア半島を中心にイギリスやヨーロッパ中部、北アフリカを含む地中海沿岸地域に60種以上が分布する多年草です。これまでに1万以上の品種が作出され、花形や花色、草姿などから12系統に分類されています。代表的な品種として、「ラッパズイセン」、「八重咲きスイセン」、「房咲きスイセン」、「口紅スイセン」などがあります。
日本への渡来は、平安時代の書物にスイセンが登場していることから、シルクロードを通って中国経由で伝わったと言われていますが、はっきりしたことは分かっていません。日本では古くから海岸沿いなどで「ニホンズイセン」が見られ、「ニホン」と付くことから日本が原産のスイセンに思えますが、中国経由で渡来して野生化した種と言われています。
スイセンの花弁は6枚あるように見えますが、内側に3枚の花弁と、外側に3枚の萼(がく)が組み合わさった物で、花被片(かひへん)と呼ばれています。花被片の中心にあるラッパ状になった部分は、副花冠と呼ばれる物です。
スイセンは英名で「Narcissus(ナルシサス)」と呼ばれ、ギリシャ神話に登場する美少年の「Narkissos(ナルキッソス)」の話が由来です。
スイセンの和名「水仙(スイセン)」は中国からきた言葉で、中国古典の中に「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙という」と記されていることから、海岸沿いに咲く姿を仙人に例えて付けられたと言われています。
ガーデニング年間スケジュール
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
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植え付け | ||||||||||||
施肥 | ||||||||||||
切り戻し | ||||||||||||
開花 |
育て方のポイント

スイセンは、日当たりの良い場所で育てます。日当たりが悪いと花が咲きにくくなり、球根の育ちも悪くなるので、注意しましょう。
スイセンは、冬の寒さにあてないと花が咲かない性質です。鉢植えにして室内で育てる場合は、蕾(つぼみ)がでてくるまで室外で育てましょう。
植え付け
土作り
地植えの場合は、球根を植え付ける1週間前に、掘り上げた土に対して2~3割の腐葉土を混ぜ込んで、水はけの良い土壌にします。元肥として適量の「緩効性化成肥料」も一緒に混ぜ合わせましょう。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土や球根用培養土を使用するか、赤玉土(小粒)、腐葉土、パーライト(※)を6:3:1の割合で配合した用土を使用します。元肥として適量の緩効性化成肥料も一緒に混ぜ合わせましょう。培養土を使用する場合は、元肥を施す必要はありません。
※パーライトとは、ガラス質の火山岩を高温で焼いて作られた土壌改良剤のこと。
植え付け
スイセンの植え付け時期は、10~11月です。
地植えの場合は、球根の尖ったほうを上にし、球根2個分の深さに植え付けます。複数の球根を植え付ける場合は、10~15cmの間隔を空けましょう。
鉢植えの場合は、5号鉢で3~4球を目安に球根を植え付けます。鉢の底に鉢底ネットを置いたら、鉢の底が隠れるぐらいに鉢底石を敷きます。用土を入れたら球根の尖ったほうを上にし、球根の頭が隠れるぐらい浅めに植え付けます。用土は鉢の縁から1~2cm下の高さになるように調整しましょう。
増やし方(分球)
スイセンは、植え替え時に分球で増やします。
分球の適期は、7~9月です。
掘り上げた球根を手で割って分け、植え付け時期まで保管します。
掘り上げた球根は水洗いし、日陰で乾燥させたあと、ネット袋などに入れ、雨にあたらない日陰の風通しが良い場所で保管しましょう。
なお、植え替えは、地植えの場合、3~4年に1回の頻度で行います。鉢植えの場合は毎年、植え替えるようにしましょう。
手入れ
水やり
地植えの場合、球根を植え付けてから根が張るまでの1ヵ月間は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。そのあとは、特に水やりの必要はありませんが、乾燥が続くようなら水を与えましょう。
鉢植えの場合は、球根の植え付け時にたっぷりと水やりをします。そのあとは、土の表面が乾いたら水やりをしましょう。鉢植えの場合、冬の間も水やりをし、夏の休眠期は、植え替えないのであれば、水やりを控えるようにします。
施肥
地植えの場合は、元肥を施せば追肥をする必要がありません。
鉢植えの場合は元肥の他、新芽がでる11月頃に、水やりの代わりに液肥を追肥します。また、花あとに、お礼肥として同量の液肥を施しましょう。
切り戻し
花が終わったら、花茎のつけ根から切り取って、葉を残した状態にします。葉は枯れるまで光合成を行って、球根に栄養を蓄える役割があります。葉を切り取ると球根に栄養が蓄えられず、翌年に開花しにくくなるので注意しましょう。