植物園情報
植物と芸術「生け花」/ホームメイト
日本の伝統文化である生け花は、植物園でも度々展示会が開かれています。近年では初心者でも気軽に通える生け花教室が圧倒的に増えています。今までの華道の堅いイメージは薄れ、誰でも簡単に花を生けることが楽しめるようになり、生け花は今、若い世代の人達にも人気の趣味となってきています。
生け花の基本

ここでは、実際に花を生けるときに、事前に用意しておきたい用具や生け花をするときの流れについて説明します。
花材の種類
生け花では、植物学的な分類とは異なり、草木の生育する姿から種類が分けられています。枝物・蔓物など木質部分のある「木物」、葉物・花物などの草花の「草物」、木物、草物どちらにも見えるもので最も種類の多い「通用物」の、3つに分類されています。
生け花の用具

- 花ばさみ
- 水切り用のボウル
- 水差し
- タオル
- 霧吹き
- 生け花用ワイヤー
- 剣山
- 剣山起こし
- 生け花用給水スポンジ
生け花の様式によって使用する道具は変わってきます。花を留めるために使用する剣山は、形も大きさも様々なものがあるので、数種類用意しておくと便利です。剣山起こしは、剣山の針の間に挟まった花材のくずを取り除いたり、針が倒れて曲がってしまった時に起こす道具です。
生け花の基本の流れ

まず、生けたい花を選んだら花材を切ります。枝や茎を整えて不要な葉は取り除きます。枝や茎をより美しく見せるため、また花器にうまく留めるために枝の先端を曲げたり手を加えます。この作業を「ためる」と言います。あとは剣山や給水スポンジを使って全体のバランスを見ながら花器に生けて完成です。
生け花の様式

生け花は、数多くの流派に分かれていて、様式や技法は流派ごとに異なります。例えば、生け花の根源と言われていて最古の流派である「池坊」の様式は、大きく分けて3つの形があります。生け花として歴史的に最も古く、一定の決まりを守って複雑な形を作って生かすものを「立花」、シンプルな形を「生花」、決まりを持たず自由に生けるものを「自由花」と呼びます。いずれも奇数の花材を用いて生けるのが原則となっています。
美しく生けるコツを知ろう

花材を美しい状態でできるだけ長く生けるために、水あげという長持ちさせる手入れ法を覚えておきましょう。水あげには、「水切り」、「焼く」、「たたく」、「煮る」の4種類があり、それぞれ花材にあった方法で水あげします。水中で茎を切る「水切り」が基本的な方法で、「焼く」、「煮る」は水あげの悪い花材の時に行ないます。また、堅くて繊維の多い花材には、茎の先端をはさみの柄などでたたいて吸水性を上げる「たたく」を行なって下さい。