植物園情報
有毒植物に気をつけよう/ホームメイト
以前、トリカブトの毒が話題になったことがありますが、植物には強い毒性を持つものがあります。汁が皮膚につくとただれたりする程度のものから、食べると下痢をおこしたり、痙攣や嘔吐などの症状を引き起こし、場合によっては死に至らしめる植物もあります。
三大有毒植物

日本で三大有毒植物と言われる最強の植物があります。ここで紹介しておきましょう。
- トリカブト
- 薬用のものは、中国産で烏頭といいます。日本でも、切り花用と薬用のために信州などの高原で栽培されています。日本の山地にもヤマトリカブトとその仲間の野生種が生えています。北海道のアイヌの人たちが熊狩りに使用していたのも、トリカブトの一種です。
- ドクゼリ
- 草丈1mほどの多年草で、水辺や沼地などに自生します。茎が緑色で、短い節があり、節間が中空なのが特徴で、春の七草のセリと同類です。若芽がよく似ているため、間違えやすいので注意しましょう。
- ドクウツギ
- 山野の生える樹木です。秋に赤く熟す果実に毒があります。口に入れると意外に甘いので、子供が多く食べ過ぎてしまって、事故になったこともあります。地方によっては、ドクウツギの代わりにハシリドコロという植物をあげているところもあります。山野に生えるナス科の多年草ですが、フキノトウと間違えられることがあります。
見た目は似ていても要注意

食用の野草と有毒植物を間違えて食べてしまう事故が多く発生していますので、特に間違えやすい植物をあげます。
- グロリオサ
- ヤマイモと間違えて球根を食べてしまった。
- チョウセンアサガオ
- 根をゴボウと間違える。つぼみをオクラと間違える。種子をごまと間違える。
- スイセン
- ニラと間違えて食べてしまった。
- バイケイソウ
- オオバギボウシの葉と間違える。
- フクジュソウ
- フキノトウと間違えて食べてしまった。
- シキミ
- トウシキミ(八角)と間違える。
- ヤマトリカブト
- ニリンソウと間違えて食べてしまった。
似ている名前に要注意

ジャスミンとカロライナジャスミン(有毒)
漬物の山ごぼうとヨウシュヤマゴボウ(有毒)
中毒事故を防ぐ注意点

中毒事故がよく発生するのは、春先の山菜採りシーズンです。山菜採りに出かける際は、以下の点に要注意して下さい。
- ①食べられるかどうかはっきり分からない山菜は食べない。
- ②専門家の指導で、正しい知識や見分け方を習得する。
- ③山菜を採取する時は、他の植物が混入しないようにする。
有毒植物をみることができる植物園

植物園では、有毒植物が盗まれたり、悪用されないようにとの配慮から、有毒植物について表示しないことが多いようですが、「東京都薬用植物園」(東京都小平市)の園内の一角に、有毒植物のコーナーがあり、数多くの有毒植物とともに毒性の成分や症状などを表示しています。「東京都薬用植物園」はもともと薬務行政の一つとして、違法ドラッグや健康食品の指導、取締りに向けた植物鑑別等の試験検査、調査研究を行なうことが目的の植物園です。その一環として世界中の有毒植物、有用植物などの珍しい植物を数多く展示していますので、興味のある人はぜひ見学してみて下さい。